アグリビジネス創出フェア2004
2004.10.15ステージA
A-26
13:30〜13:45
病原菌を病気にして農作物を守る

所属 (独)農業環境技術研究所
発表者 松本 直幸
【キーワード】
生物防除/紋羽病/果樹/菌類ウイルス

【内容】

紋羽病は果樹その他作物の地下部を侵害する糸状菌性病害で、紫紋羽病と白紋羽病がある。
防除には、1樹当たり50〜100リットルの農薬を土壌に潅注しないと効果が得られず、しかも、1年おきの施用が必要とされる。農薬の土壌処理は、経費と労力を考慮しなければ有効な手段であるといえるが、農薬の土壌環境への影響についてはあまり考慮されていない。これに対し、生物防除は環境への影響が少なく、効果に永続性が期待できる。また、果樹においては個々の植物個体の経済的価値の高さから生物防除のためのきめ細やかな管理が経済的に見合う。
本防除法では、菌類ウイルスに由来する病原力低下因子に感染させた紋羽病菌培養菌を植物根部の病巣(野生株)と接触させ、野生株に病原力低下因子を感染させることで病気を治療する。菌類ウイルスは宿主である紋羽病菌の細胞質内で増殖するので土壌微生物相の影響を受けない。従来の生物防除においては、導入された拮抗菌が土壌中で定着・増殖できないことが最大の問題点であった。今までに、紫紋羽病菌で3菌株、白紋羽病菌では6菌株から病原力低下因子が検出された。
現在、接種植物を使って、病気を治療する実験を行っている。
特許等知的財産関連の状況 取得済み/申請中
研究開発の段階 開発研究
その他アピール点 菌類ウイルスに関する基礎知見が圧倒的に不足しています。とくに接種方法が十分には確立していません。接種方法が確立すればより多くの病原力低下因子が発見され、また実用化への途が大きく拡がります。接種方法の開発に関する協力者を捜しています。
| 閉じる |
Copyright (C)2004 Agribusiness Creation Fair Secretariat
アグリビジネス創出フェア事務局