アグリビジネス創出フェア2004
2004.10.15ステージA
A-28
14:15〜14:30
ブリ親魚からの年内の採卵について

所属 (独)水産総合研究センター
五島栽培漁業センター
発表者 浜田 和久
【キーワード】
ブリ/環境制御/成熟促進/12月採卵

【内容】

 わが国の栽培漁業の重要な水産資源の一つであるブリの親魚養成において,養成親魚からの採卵は通常4月下旬から5月上旬までである。この時期の卵を用いて生産された人工種苗の成長は,天然魚(モジャコ)に比べて著しく劣るため,放流効果が上がりにくいなどの問題がある。そのため,親魚の飼育環境条件(光および水温)の制御により,産卵時期を2ヶ月早めた2月採卵の技術が確立され,天然魚とほぼ同じサイズの種苗を生産できるようになった。また一方では,本種は養殖業においても大変重要な魚種であり,養殖用種苗を天然魚に依存している現状では,安定的かつ計画的な種苗の確保には問題があり,よりサイズが大きい等の付加価値を有する人工種苗への期待度は極めて高い。そこで,2月採卵の技術を応用して,産卵時期をさらに2ヵ月早めて年内の12月での採卵技術の開発に成功した。得られた卵を用いて生産された人工種苗は4月末(モジャコの採取解禁時)には全長で20cm,体重で100gまでに成長し,年内には2kgまでに成長することが期待されている。
特許等知的財産関連の状況
研究開発の段階 開発研究
その他アピール点 年内にブリ親魚から採卵することが可能になったことにより,1年間の飼育で2kgまで成長することが期待されている。このことは,養殖産業におけるコスト削減や安定的大型種苗の確保につながり,ひいては食料の安定供給に結びつくことが期待される。
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