アグリビジネス創出フェア2009

11月25日(水)      11月25日(水)(1日目)11月26日(木)(2日目)11月27日(金)(3日目)

表彰式及び受賞講演

10:00〜12:00 
平成21年度(第10回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰
農林水産省及び社団法人農林水産技術情報協会では、農林水産業及び関連産業の研究開発を一層活発にするため、優れた功績を上げた民間主体の研究開発を称えることを目的として、本表彰を実施しています。

【農林水産大臣賞】
  ・星 宏良、山下 祥子(株式会社機能性ペプチド研究所)
  業績名:牛体外受精卵培養用無血清培地の開発と製品化
 ・金坂 孝澄(千葉県 農業自営)
  業績名:レンコン品種、金澄20号、34号、36号等の育成
  ・郡山 賢一、木村 栄一、鴫原 隆(株式会社キノックス)
  業績名:ナメコ周年栽培技術および菌株維持技術の開発
【農林水産技術会議会長賞】
 ・PMM開発グループ(プライムテック株式会社 代表 三松 淳)
  業績名:精密顕微操作用ピエゾ駆動式マイクロマニピュレータの開発と普及
 ・庄司 真一、宮川 英二、梅谷 淳、安住 純一(富士レビオ株式会社)
  業績名:牛海綿状脳症診断用酵素抗体反応キットの開発
 ・名嘉真 繁(農業生産法人アグリサポート南大東株式会社)
  業績名:大東島地域におけるさとうきびの革新的な増産技術の開発
【社団法人農林水産技術情報協会理事長賞】
 ・石川 文保、工藤 辰幸、狩野 光芳(株式会社ヤクルト本社)
  薗田 良一、坂谷 洋一郎(宮崎県農協果汁株式会社)
  業績名:肝機能改善効果を有する紫サツマイモジュースの開発
 ・株式会社タイガーカワシマ 温湯消毒装置開発チーム(代表 川島 誠蔵)
  業績名:薬剤を用いない病害虫防除を可能にする温湯消毒装置の開発
【独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構理事長賞】
 ・キャリロボグループ(代表 オリオン機械株式会社 岡谷 利幸)
  業績名:搾乳ユニット自動搬送装置の開発
【社団法人農林水産先端技術産業振興センター会長賞】
 ・岡田 徹、葭谷 收平、末繁 博信、西村 省治(協和発酵バイオ株式会社)
  業績名:飼料用フィターゼおよび環境保全型飼料の開発

13:00〜14:30 
平成21年度(第5回)若手農林水産研究者表彰
農林水産省では、農林水産業及び関連産業の研究開発を一層活発にするため、優れた功績を上げた若手研究者(40歳未満)を称えることを目的として、本表彰を実施しています。

 ・岡村 寛(独立行政法人水産総合研究センター 遠洋水産研究所 外洋資源部 主任研究員)
  業績名:水産生物資源データの統計モデル解析手法の開発と応用に関する研究
 ・高橋 美智子(宇都宮大学 農学部 准教授)
  業績名:高等植物におけるニコチアナミンの機能解析と有用作物の作出
 ・村上 博子(独立行政法人農業環境技術研究所 物質循環研究領域 主任研究員)
  業績名:農耕地における温室効果ガス発生推定および削減に関する研究
セミナー

13:00〜13:45
価値創造する“新・農業”2009〜農業の活性化に期待されるテクノロジー・サイエンス
三菱商事株式会社 国際戦略研究所 部長 栗原 康剛

農業は、食料を生産する基本価値にいっそう磨きをかけ、さらに健康や安全・安心、文化、自然、環境等 生活者ニーズや社会的要請をとらえた様々な価値創造にチャレンジすることで、より魅力的な産業へと進化する可能性を秘めています。
本セミナーでは、こうした新しい農業の実現に期待されるテクノロジーやサイエンスの萌芽や仮説的視点を幅広く紹介し、関係者の皆様と共有することで、農業の活性化を促進する一助となれば幸いです。

14:00〜14:45

第7回産学官連携功労者表彰農林水産大臣賞受賞事例
「安全なエビ(バナメイ)の生産システム・プラントの開発」

 ・独立行政法人国際農林水産業研究センター
  水産領域プロジェクトリーダー マーシー・ワイルダー
 ・株式会社アイ・エム・ティー 専務取締役 野原 節雄
 ・独立行政法人水産総合研究センター 養殖研究所 生産技術部
  繁殖研究グループ チーム長 奥村 卓二
 ・株式会社ヒガシマル 臨海研究所 研究部長 黒木 克宣 ※黒木氏の講演はありません

国際農林水産業研究センターを中心とする産官の連携により、垂直循環、過飽和酸素供給および沈殿 物回収などの新たな技術を開発・融合させ、世界初となる閉鎖循環式の「屋内型エビ生産システム」を 開発し、薬品を一切使用しないバナメイエビを大量に生産することが可能になりました。 本システムの導入は、水産業の振興、循環型社会の実現や地域活性化につながり、更には食料自給率 向上への貢献が期待されます。
シンホジウム

15:00〜16:30
産学連携による博士人材の養成と産業界でのその活用
かつて博士課程進学者の多くは大学教員となり、いわゆるアカデミア志向が強かったが、近年、産業界での貢献を目指す博士人材が増加している。このため、大学においても産業界を志向する博士人材に対する特別な研修や企業への就職をサポートする取組みを積極的に展開し始めている。他方、こうした博士人材の産業界での活用促進が、今後の企業活力や産業競争力の向上に大きく寄与することが期待される。東京農工大学では、国内外の企業機関の連携協力を得ながら、産業界でのイノベーション創出を担う農学系を中心とした博士人材を養成している。

講演者: 西河 淳 東京農工大学 教授、アグロイノベーション高度人材養成センター長
山野井 昭雄 味の素株式会社 顧問
布藤 聡 株式会社ファスマック 代表取締役社長
 
 



11月26日(木)
      11月25日(水)(1日目)11月26日(木)(2日目)11月27日(金)(3日目)

セミナー

13:00〜13:45
アグリビジネスの国際展開
〜日本企業にとって未知の新事業領域開拓のために〜

株式会社日本総合研究所 主任研究員 大澤信一

日本農業が不振の中、アグリビジネスが注目を集めています。このような経緯も有り、多くの企業が今後の有望新事業分野として農業・アグリビジネスに関心を示しています。しかし、「企業が取り組む農業・アグリビジネス」という視点からは考えれば、その展開の重点は国内市場より、圧倒的に海外市場のウエイトが大きいといわざるを得ません。本セミナーでは、多くの日本企業にとって未知の領域である「アグリビジネスの国際展開」についてその可能性を考えてみます。

14:00〜14:45
我が国の植物工場の概要と将来展望

千葉大学大学院 園芸学研究科 准教授 丸尾 達

70年代に始まった我が国の植物工場の研究開発は80年代に急速に進んだが、その後一時期停滞した。 それが近年太陽光利用型植物工場も加わり、再び各方面から注目されるようになっている。同時に、 関連の研究開発が加速され、実際の施設導入も進んで、第二世代の植物工場が稼働し始めている。 今回は、歴史も含めた植物工場の概要、農林水産省・経済産業省主催の植物工場WGでの検討結果や 現在進められている「植物工場(野菜工場)の普及・拡大事業」のねらいと今後の我が国の植物工場の将 来展望について事業性、海外展開の可能性等を含めて概説する。

15:00〜16:30
農林水産省行政情報セミナー
農林水産業や農山漁村地域の活性化につながる研究開発及びその成果の実用化を支援する施策のうち、
下記内容について、 農林水産省の担当者より情報を提供させていただきます。

○ 15:00 〜
「高度施設園芸の普及支援策について」
生産局生産流通振興課 園芸生産第2班 課長補佐 清水 治弥
○ 15:20 〜
「新需要創造対策 −新食品・新素材の事業化支援施策について−」
生産局技術普及課 生産専門官 青木 利充
○ 15:40 〜
「地域の新たな産学官連携を支援する競争的資金制度について」
農林水産技術会議事務局研究推進課産学連携室 室長 川合 豊彦
シンホジウム

13:00〜15:30
農林水産知的財産ネットワークシンポジウム2009
 〜地域活性化に貢献する知的財産〜
農林水産省は知的財産戦略に基づき、知的財産の創造・活用を担う研究者や知財実務者の連携を深める「農林水産知的財産ネットワーク」の構築を進めています。
今回のシンポジウムでは、知的財産戦略の目的の一つである「地域活性化に貢献する知的財産」に焦点を当て、各地で活発に取組みを進めている事例について話題提供をいただき、今後の方向性について検討を行います。

1 各地域における活用事例報告

 「滋賀県での知財活用による地域農業の活性化
   〜研究・普及・JA・専業農家集団連携によるオンリーワンの取り組み〜」
   滋賀県農業技術振興センター 栽培研究部長 寺本 憲之

 「特許を活用した商品開発〜米で起業する〜」
   有限会社ライスクリエイト 代表取締役 長田 竜太

 「大阪府における技術移転事例について〜加工大豆の製造方法〜」
   大阪府立特許情報センター 特許流通アドバイザー 板倉 正

 「産学官連携による商品開発〜熊本における紫イモから醸造酒〜」
   崇城大学 特任教授 大庭 理一郎

2 総合討論
 コメンテーター
  北海道大学 産学連携本部 副本部長 教授 荒磯 恒久
  東京農工大学大学院 教授 澁澤 栄
  社団法人食品需給研究センター 主任研究員 長谷川 潤一

お申込はこちらから



11月27日(金)
      11月25日(水)(1日目)11月26日(木)(2日目)11月27日(金)(3日目)

セミナー

13:00〜13:45
戦略の実践と合意形成:技術シーズと地域活性化

宮城大学 教授 三石 誠司

科学技術の成果を活用する場合、様々な利害関係者が各々の立場で関心を持ち、その開発や利用、意思決定に影響を及ぼす。そして、新しく、広範な影響を及ぼす科学技術である程、不確実性が増し、関連する制度も複雑になる。こうした状況下で必要なことは、当該技術そのものの是非の議論だけでなく、互いの主張を真摯に受け止めた上での現実的な合意形成である。例えば、遺伝子組換え作物・食品をめぐる問題は、我々が、この問題を食料需給や地域活性化と結び付けていかなる合意形成が可能かという問いを投げかけているのではないかと思う。

14:00〜14:45
遺伝子組換えによる新しい色の花の開発と実用化

サントリーホールディングス株式会社 植物科学研究所 所長 田中 良和

交雑による品種改良では、その種が持つ遺伝子の制約があるため、実現できない花の色が多い。たとえば、切花として重要なバラ、カーネーション、キクなどには青や紫色の品種がない。遺伝子組換えを利用して、青い色素を合成する酵素の遺伝子を導入することにより、花の色を青くすることができるが、そのためには、(1)遺伝子の取得、(2)遺伝子組換え植物の作製、(3)導入遺伝子の発現調節といった技術開発を行う必要がある。また、実用化するためには(4)カルタヘナ法に基づく認可を得る必要がある。青いバラ、カーネーションを例に、遺伝子組換え花きの開発と実用化について述べたい。
研究成果発表会

11:50〜12:40
委託プロジェクト研究成果発表会 「先端技術が拓く未来の扉」

「短期間で新品種を育成したい」「これまでにない高機能素材を作りたい」「流通している農産物・加工品の品種が何か確かめたい」
−−−農林水産省では農林漁業者や流通加工業者、そして消費者の皆様からの要望に応えるべく研究開発を進め、これまで数多くの成果を上げてきました。今回はこれら成果の中から、「食品開発」「新品種育成」「新素材開発」「品種判別」といった新たなビジネスの種(シーズ)となりそうな分野に焦点を絞り、最先端の研究成果を紹介します。

発表者:高野 誠 農林水産省農林水産技術会議事務局 研究調整官

13:00〜16:30
「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」 成果発表会2009

農林水産省の競争的資金である「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」の平成20年度終了課題(104課題)のうち、農林水産業・食品産業の現場への普及・実用化が期待される課題の中から下記7課題の研究成果を研究者が紹介します。また、農林水産省の競争的研究資金について、担当者が紹介いたします。

(1)挨  拶                            13:00〜13:10
(2)成果発表(7課題 1課題当り25分) 13:10〜16:05
(3)競争的研究資金の紹介             16:05〜16:30
【成果発表】
1. 冷蔵苗のモジュール化によるイチゴの高密植移動栽培システム 13:10〜13:35
〔中核研究機関〕(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術支援センター
〔共同研究機関〕(独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター、大阪府立大学、宮城県、(株)誠和

発表者:林 茂彦氏 
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術支援センター

イチゴの国内生産量が少ない夏秋期の生産技術を確立するため、冷蔵苗の養成には温度変化の少ない冷熱輻射方式冷蔵庫を用い-1℃で貯蔵する方法が適していることを実証し、夏秋期170g/株の収量を実現。また、作業用通路を必要としないイチゴの高密植移動栽培装置を開発。これらにより10a当たり13.5t/年の生産が可能。

2. 超密植と灌水同時施肥による高収益型ブドウ生産システムの構築 13:35〜14:00
〔中核研究機関〕岡山大学
〔共同研究機関〕岡山県農業総合センター、(有)アグリシステム・モリ

発表者 倉藤 祐輝氏 
岡山県農業総合センター農業試験場

冬の剪定枝を利用した挿し木によるブドウ苗の大量生産技術を開発。この苗を10a当たり1,000本という超密植で植え付け、簡易な養液供給装置で養成すると、翌年(定植2年目)から高品質な果実が生産できることを実証。これにより、2年目は10a当たり収量2t、3年目以降は3tの多収が可能。

3. 長距離移動性イネウンカ類の飛来予測システムの実用化技術の開発 14:00〜14:25
〔中核研究機関〕(独)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター
〔共同研究機関〕(独)農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター、(財)日本植物防疫協会

発表者:大塚 彰氏 
(独)農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター

飛来予測の計算を行う専用計算機と、その予測結果を利用しやすい形で提供する「JPP-NETウンカ類飛来予測・解析検索データベース」からなるシステムを開発。ウンカの飛来が予測されると電子メールで通知され、利用者はリンク先の飛来予測図を参照し、飛来時刻、飛来地域、飛来源の予測情報を得ることが可能。過去の予測図と飛来の解析図も検索でき、飛来解析に活用。

4. 大型二枚貝タイラギの環境浄化型養殖技術の開発 14:25〜14:50
〔中核研究機関〕(独)水産総合研究センター
〔共同研究機関〕長崎県総合水産試験場、田崎真珠(株)田崎海洋生物研究所、小長井町漁業協同組合

発表者:松山 幸彦
(独)水産総合研究センター西海区水産研究所

高級貝タイラギの稚貝から出荷サイズの成貝まで生産することに世界で初めて成功。幼生の浮上死を防止する二枚貝浮遊幼生飼育方法、垂下養殖器具、フジツボなどの付着防御器具などを開発。養殖されたタイラギの貝柱の大きさは、天然貝の約2倍、グリコーゲンやうま味成分も天然貝よりも多く含まれ、商品価値が高くなることを実証。

5. 樹皮及び高含水率木質チップの木材乾燥等への燃料利用技術の開発 14:50〜15:15
〔中核研究機関〕岩手県林業技術センタ−
〔共同研究機関〕岩手大学、オヤマダエンジニアリング(株)、北進産業機械(株)

発表者:東野 正
岩手県林業技術センター

スギ樹皮をボイラー用燃料として燃焼しやすく、自動供給に対応した一定の形状に破砕する燃料用樹皮専用チッパー、含水率の高いスギ樹皮を効率良く燃焼させる小型燃焼炉、効率良く蒸気を発生させる小型蒸気ボイラー、蒸気や排ガスの一部を利用した樹皮含水率低減装置を開発。小型蒸気ボイラーと組み合わせたシステムにより含水率200%までのスギ樹皮チップを燃焼可能。

6. 多収飼料米品種を活用した高品質豚肉生産システムの確立 15:15〜15:40
〔中核研究機関〕(独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所
〔共同研究機関〕(独)農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所・東北農業研究センター・中央農業総合研究センター、
富山県農林水産総合技術センター畜産研究所、一関市、(株)フリーデン

発表者:伊吹 俊彦
(独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所

関東以西向けの多収飼料米品種「モミロマン」を育成。豚ふん尿の堆肥化過程で発生するアンモニアを硫酸水溶液と反応させて回収する簡易アンモニア回収装置、回収した液状硫安を水田に追肥する簡易流入装置を開発し、これらを用い870〜1,000kg/10aの収量を実現。この飼料米を配合給与すると、脂肪が硬く、しまりのある肉質になり、豚の発育、枝肉の成績が向上。

7. 結晶化法によるリン除去回収技術の簡易化・低コスト化手段の開発 15:40〜16:05
〔中核研究機関〕(独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所
〔共同研究機関〕佐賀県畜産試験場・窯業技術センター、神奈川県畜産技術センター・農業技術センター、
沖縄県畜産研究センター・農業研究センター

発表者:鈴木 一好
(独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所

養豚農家の汚水処理設備の沈澱槽などを改造し、MAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)を回収する技術を開発。既設設備を利用できることから、低コストで設置できることを実証。回収されたMAPは、天日乾燥後そのまま肥料として利用でき、タマネギ栽培では、市販のリン酸肥料より優れた肥効を示すことを実証。また、陶磁器材料としても利用可能。