(株)江南化工と三重大学は、青のり(ヒトエグサ:通称アオサ)に多く含まれる「ラムナン硫酸」の機能性に関する共同研究を実施、さらに三重大学発ベンチャー「(株)機能食品研究所」と医学部附属病院とが協力し食品としてヒト試験を実施し、その機能の有効性を確認していた。
一方、三重県は青のりの生産が全国1位であり、特に志摩市は県内で有数の青のりの生産地であることから、志摩市商工会が青のりを使った製品開発を望んでおり、三重大学が中心となりラムナン硫酸の特徴を活かした化粧品としての活用を企画していた。
三重大学ではこの企画段階で、ラムナン硫酸から作られた機能性食品(ラムナノハイジャン)やラムナン硫酸の保水性などの特徴を活かした試作品をアグリビジネス創出フェアに出展することを提案、(株)江南化工が設立した新会社ラムナン(株)と三重大学とが共同で研究成果を取りまとめた上で、試作段階の化粧品「あおさクリーム(案)」を作成し、アグリビジネス創出フェアに出展した。
会場においては、研究成果について様々な意見を頂くとともに、試作品に対するアンケート調査を実施、「クリームとしての機能は優れている」「保湿性もあり、使用感も良い」等の感想を得た。これにより、関係者が共同研究の成果を活用した製品開発への手応えを感じ、自信を持つ事ができた。
また、三重大学においては、本事例のような地域特産物の商品化への取り組みをきっかけとして、他企業からも研究シーズや共同研究に係る打診が増大、産学連携の活性化に繋がっている。
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ラムナノハイジャン |
伊勢志摩真珠クリーム |