2017年10月4日(水)~6日(金)
10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト東7ホール
主催:農林水産省
EXHIBITORS LIST出展者一覧
生産小間位置番号:生 0125  
(国研)国際農林水産業研究センター
海外共同研究から得られた平成28年度の研究成果情報の中から、他団体との共同により発展が期待できる6課題を選んで展示します。

お問い合わせ先

郵便番号 〒305-8686
住所 茨城県つくば市大わし1-1
TEL 029-838-6336
FAX 029-838-6337
URL https://www.jircas.go.jp/

展示内容

出展内容 ■インドシナ半島の発酵型米麺のタンパク質分解と特徴的なテクスチャの関連性 吉橋 忠 (生物資源・利用領域)
発酵型米麺の発酵過程は2段階に分かれており、初期の3日間に米の貯蔵タンパク質のうち、米麺内で小顆粒を構成する易消化性タンパク質(プロテインボディⅡ)が選択的に分解される。このため、発酵により米麺の均一性が向上するため、米麺の伸展性が向上する。小麦由来の麺とは異なり、タンパク質によるネットワーク構造が期待出来ない米麺では、不要な構造を形成するタンパク質を除去する発酵工程が重要である。また、発酵型米麺の中間産物である発酵米粉は、現在は発酵米麺への加工用途のみに生産されているが、易消化性タンパク質が選択的に分解されていることから、低タンパク質米素材として利用可能である。

■キャッサバパルプはC. butyricumの1,3-プロパンジオール生産能を高める 小杉 昭彦 (生物資源・利用領域)
Clostridium butyricumを用いたグリセロールからの1,3-PD生産において、培養時にキャッサバパルプやパルプ繊維を少量添加すると、1,3-PD生産能を飛躍的に高めることを見いだしました。

■酸味が少なく外観良好なパッションフルーツ新品種「サニーシャイン」 緒方 達志 (熱帯・島嶼研究拠点) 山中 愼介 (熱帯・島嶼研究拠点) 高木 洋子 (熱帯・島嶼研究拠点)
既存の紫系品種と黄色系の遺伝資源との交配・選抜により、収穫時点での果実の酸度が低く、果実の色つやに優れた品種を作出しました。

■キヌアの標準自殖系統とゲノム配列 藤田 泰成 (生物資源・利用領域)
これら一連の研究成果を通して、キヌア研究が飛躍的に進展するために必須な遺伝子レベルでの研究基盤を確立しました。

■家庭用バイオガス発生装置は温室効果ガス排出削減と農家の便益を実現する 泉 太郎 (農村開発領域)
本研究では、家畜の排せつ物等を原料としてバイオガスを発生させる装置(BD)を農家に導入することにより、確実に温室効果ガスの排出が削減され、更に、農家にメリットをもたらすことを明らかにしました。

■ラオスの重要な食用魚パ・コーの生態的情報に基づく資源保全管理 森岡 伸介 (水産領域)
インドシナ半島域ではこれまでにあまり適用例の無い耳石年輪を用いた成長解析を通じて、繁殖年齢を推定すると同時に、対象とした個体群の成長パターン・寿命等に関する知見を得ています。
既存の技術との違い ■インドシナ半島の発酵型米麺のタンパク質分解と特徴的なテクスチャの関連性 吉橋 忠 (生物資源・利用領域)
東南アジアの米麺は、湿式製粉後、押出製麺するビーフン、粢を調製し板状の麺を裁断するフォーの他、原料米を発酵させ、予備糊化により麺生地を調製した後、押出製麺する発酵型米麺がある。特に、インドシナ半島の各国では、伝統的に発酵型米麺(カノムチーン(タイ)、カオプン(ラオス)、ブン(ベトナム))が消費されている。発酵により、特徴的な風味に加えて、伸展性に優れた特徴的なテクスチャが付与されるが、その原因は解明されていなかった。

■キャッサバパルプはC. butyricumの1,3-プロパンジオール生産能を高める 小杉 昭彦 (生物資源・利用領域)
近年はより環境低負荷な1,3-プロパンジオール(1,3-PD)製造方法として、グリセロールから微生物に還元させる方法が提案されています。しかし微生物変換は変換効率が悪く、新たな生産菌の探索や遺
伝子組換え等による改良が必要となっています。嫌気性細菌Clostridium butyricumとキャッサバパルプを用いた1,3-PDの効率的な生産方法を提案します。

■酸味が少なく外観良好なパッションフルーツ新品種「サニーシャイン」 緒方 達志 (熱帯・島嶼研究拠点) 山中 愼介 (熱帯・島嶼研究拠点) 高木 洋子 (熱帯・島嶼研究拠点)
パッションフルーツは南米高地原産の熱帯果樹で、世界中の熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。国内では鹿児島県奄美大島、沖縄県、東京都小笠原を中心に栽培されています。熱帯性ではあるものの、既存の国内品種は開花・結実期の極端な高温条件下では結実不良、果実の生育不良や着色不良などの問題があります。今回開発した新品種は高温期でも既存品種に比べて安定した着果やきれいな果実外観、良食味が特色の生食に適した品種です。

■キヌアの標準自殖系統とゲノム配列 藤田 泰成 (生物資源・利用領域)
キヌアは、南米アンデス地方原産の作物です。干ばつなどのさまざまな不良環境に対する適応性が高いだけでなく、きわめて高い栄養価と優れた栄養バランスを持っており、近年注目を集めています。そのため、国際連合食糧農業機関(FAO)は、世界の食料問題解決の切り札になり得る作物として、また、米国航空宇宙局(NASA)は、宇宙飛行士の食料として注目してきました。しかしながら、雑種になりやすい上にゲノム構造が複雑であることから、キヌアの詳細な遺伝子レベルでの解析は十分に進んでいませんでした。今回、共同研究グループは、分子解析に好適な標準自殖系統(純系の系統)を確立し、そのゲノム概要配列を解読しました。また、これらのゲノム配列情報をもとに作成したキヌアのゲノムデータベース(Quinoa Genome DataBase, QGDB; http://quinoa.kazusa.or.jp)を公開しています。

■家庭用バイオガス発生装置は温室効果ガス排出削減と農家の便益を実現する 泉 太郎 (農村開発領域)
クリーン開発メカニズム(CDM)等により途上国における温室効果ガス(GHG)排出を削減する取り組みは重要ですが、炭素クレジット価格の低迷などにより現状では十分機能していません。そのため、途上国の農家レベルで気候変動に対する緩和策を広く普及させるためには、農家がその利用によるメリットを実感できるものとする必要があります。

■ラオスの重要な食用魚パ・コーの生態的情報に基づく資源保全管理 森岡 伸介 (水産領域)
本種はラオスのみならず東南アジアの亜熱帯・熱帯域全域に渡り重要な食用魚ですが、特にラオスでは養殖がおこなわれておらず、天然資源依存度の高い魚類でもあります。特に近年は、都市部の拡張や人口の増加により、都市部近郊の本種資源量の減少が大きく懸念されています。本研究では、本種の成長や繁殖に関する解析を行うことで、繁殖サイズ・繁殖年齢を明らかにし、禁漁期の設定等、資源管理に有効な情報を提供するものです。
想定される用途 ■インドシナ半島の発酵型米麺のタンパク質分解と特徴的なテクスチャの関連性 吉橋 忠 (生物資源・利用領域)
・発酵工程の適切な応用による新規米由来食品
・発酵工程による選択的なタンパク質分解を応用した米由来低タンパク質素材
・発酵工程により、主要なコメアレルゲンタンパク質も分解を受けることからアレルギー対応食品への応用
・現地における食品産業の高度化に伴い、発酵米粉と発酵米麺の生産の分業化が進展していることから、発酵米麺については、既に供給力が存在する

■キャッサバパルプはC. butyricumの1,3-プロパンジオール生産能を高める 小杉 昭彦 (生物資源・利用領域)
キャッサバパルプやパルプ繊維を添加するという簡単な方法で、グリセロールからの1,3-PD生産量や生産効率を上げることが可能になります。1,3-PD生産の効率化や未利用農作物残渣であるキャッサバパルプの新たな活用方法が期待されます。

■酸味が少なく外観良好なパッションフルーツ新品種「サニーシャイン」 緒方 達志 (熱帯・島嶼研究拠点) 山中 愼介 (熱帯・島嶼研究拠点) 高木 洋子 (熱帯・島嶼研究拠点)
この新品種は生食に適したパッションフルーツ新品種として我が国のパッションフルーツの生産・消費の拡大への貢献が期待されます。また、パッションフルーツはつる性草本で定植1年目で果実がとれ、果樹としては比較的栽培しやすく、我が国でも今後予想される温暖化に対応する新規導入作目として期待できます。

■キヌアの標準自殖系統とゲノム配列 藤田 泰成 (生物資源・利用領域)
この研究成果は、共同研究グループが目指している不良環境耐性作物の開発や、アフリカをはじめとする世界の栄養改善に向けた作物開発において、キヌアの高い環境適応性や優れた栄養特性を支えるメカニズムを活かした作物品種の改良につながることが期待できます。

■家庭用バイオガス発生装置は温室効果ガス排出削減と農家の便益を実現する 泉 太郎 (農村開発領域)
ベトナム政府の排出削減目標に関する「自主的に決定する約束草案(INDC)」には、バイオガスを含む農業分野からの排出削減が明記されており、INDCの具体化に際して本成果の活用が期待されます。

■ラオスの重要な食用魚パ・コーの生態的情報に基づく資源保全管理 森岡 伸介 (水産領域)
この研究成果は、ラオスのみならず域内各国の本種資源の管理に有用な情報であると同時に、同様の手法を用いて他の重要魚種に対しても適用可能な研究手法です。
展示方法
マッチング目的

※アイコン説明

資料

マッチングアイコン

共同研究相手をみつけるため
製品化のため
改良点を把握するため
技術の移転先をみつけるため
資金提供元をみつけるため
ニーズ側との情報交換